Ball'n'Chain

雑記

No Smoking, Please.

九月の京都にしてはそれほど暑くない日が続いている。夏っていえば九月まで続くイメージだったんだが。体が慣れたのか。東京はもっと涼しいのだろう。 主に本を読んだり個人的な翻訳をしていたりするのだが、家だと落ち着かない。喫茶店ばかり入るのももった…

透明な火照り

北杜夫の『牧神の午後』を読んだ。六編の短編小説のアンソロジー。でもその中の「病気についての童話」は四つの掌編から成っているので、全部で九編の小説が含まれていると言っていい。まず旧仮名遣いが美しいのもさることながら、作品全体を通して何かこう…

一つの求道記

こないだ下鴨の古本市で買った本を読んだ。ウィリアム・バロウズの『ジャンキー』。麻薬中毒者であることで有名な彼の、自伝的小説であり、処女作、らしい。面白くて一気に読めた。ジャンキーがどういう行動をするか、ジャンキーになるとどういう症状が出る…

孤独の共鳴

少年がとつとつと傘の先で道路を突きながら帰っていく。いつ降りだしてもおかしくないような曇り空。蒸し暑い空気をぬっと押しのけてバスがやってくる。久しぶりにバスで四条まで行って買い物をしてきた。サンダルとTシャツ。今まで履いていたサンダルはカビ…